不動産投資を始めると、つい「良い建物を建てたい」と考えてしまいます。
特に新築アパートや新築戸建賃貸では、ハウスメーカー選びで悩む人も多いでしょう。
しかし、ここで一度冷静に考える必要があります。
高い建物は、本当に投資として正解なのか?
実は、不動産投資では「建物の豪華さ」と
「収益性」が一致しないことが珍しくありません。
同じ30坪でも建築費は大きく変わる
例えば30坪程度の建物でも、
大手ハウスメーカーなら5,000万円近く、
ローコスト住宅や規格住宅なら2,000万〜3,000万円台、
というケースは普通にあります。
もちろん、高額な建物には理由があります。
例えば、
- 鉄骨造
- 高い断熱性能
- 重厚な外壁材
- 長期保証
- ブランド力
- 設計提案力
- 営業やアフター体制
などです。
「安心感」や「所有満足感」にお金を払っている面も大きいでしょう。
ただし、投資は感情ではなく数字
問題はここです。
その建築費の差額を、家賃で回収できるのか?
ここを考えないと、収益物件としては厳しくなります。
例えば、
建築費の差額が2,500万円あるとします。
利回り6%で考えると、必要な年間収入差は、
2,500万円×0.06=150万円
つまり、
月あたりでは約12.5万円の差になります。
要するに、
「高い建物にしたことで、毎月12.5万円多く家賃を取れますか?」
という話です。
入居者は「建築費」を見ていない
実際の賃貸市場で、入居者が重視するのは、
- 駅からの距離
- 築年数
- 広さ
- 間取り
- 設備
- 見た目
- 家賃
このあたりです。
もちろん建物品質もゼロではありません。
しかし、
「この建物は有名ハウスメーカーだから、家賃を5万円高く払います」
というケースはかなり少ないのが現実です。
特に地方や郊外では、その傾向が強くなります。
自宅なら「満足感」に価値がある
ここは誤解してほしくない部分です。
自宅であれば、高級ハウスメーカーを選ぶ価値は十分あります。
毎日住む家ですから、
- 安心感
- ブランド
- デザイン
- 快適性
- 長期耐久性
こうした「数字では測れない価値」が存在します。
人生の満足度にも直結するでしょう。
しかし収益物件は別物
一方で、収益物件はかなりシビアです。
不動産投資では、
「良い建物を建てること」
よりも、
「市場家賃で回収できる範囲に建築費を抑えること」
の方が重要になることがあります。
建築費をかけすぎると、
- 利回りが下がる
- ローン返済が重くなる
- キャッシュフローが悪化する
- 空室時のダメージが大きい
という問題が起きやすくなります。
見た目は立派でも、数字が苦しい物件になるのです。
不動産投資で重要なのは「建築費÷家賃収入」
新築アパート、戸建賃貸、店舗付き住宅などを考える時は、
「建築費 ÷ 家賃収入」
の感覚を持つことが非常に重要です。
例えば、
- 多少設備を落としても利回りを優先する
- 見栄えより間取り効率を重視する
- 過剰スペックを避ける
こうした考え方が、長期的には収益性を安定させることもあります。
まとめ 不動産投資は「高く建てない勇気」も必要
良い建物を建てることは大切です。
ただ、不動産投資ではそれ以上に、
「高く建てすぎないこと」
が重要になる場合があります。
特に今は建築費高騰の時代です。
建物にこだわりすぎると、想定利回りが大きく崩れることもあります。
不動産投資は、最終的には数字の世界です。
見た目の豪華さだけでなく、
- その家賃で本当に埋まるのか
- 利回りは成立するのか
- 回収に何年かかるのか
ここまで考えて、初めて「良い投資」と言えるのではないでしょうか。
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