住宅完成保証制度とは
住宅完成保証制度とは、一戸建て住宅の新築施工中に、
ハウスメーカーや工務店などの建築会社が、
倒産により工事を完了できない事態に陥ってしまった場合、
住宅完成保証制度に加入していれば、
工事を続けるための追加工事費のうち一定の金額分が保証される、というものです。
既に支払った工事費の損失分も保証してくれる保証会社もあります。
万が一、建築を依頼した建築会社が建築中に倒産したとしても、
実質的に施主が追加費用を負担することなく、
別の建築会社に仕事を引き継いでもらえる保証制度です。
住宅完成保証制度を提供する機関によって制度内容はさまざまですが、
引き継ぐ建築会社を紹介する制度もあるようです。
住宅完成保証制度は、建築会社が保証機関に登録する必要があります。
登録には、財務内容等の審査が必要で、審査基準を満たした建築会社だけが登録を認められます。
登録していない会社もあるため、契約前に確認しておくとよいでしょう。
一般的に保証の対象となるのは、個人が発注者である注文住宅で、
発注者が既に支払った工事費および引き継ぐ建設会社への追加工事費を保証するのが基本です。
保証限度額は保証機関や保証内容によってさまざまですが、
保証対象住宅の請負金額の20~30%程度が目安です。
上限1000万円まで、というような上限金額を設定している制度もあるので、要注意です。
住宅完成保証制度の注意点
住宅完成保証制度を利用する場合、
工事請負契約の際に請負者と発注者との間で契約内容を確認し、
請負者が保証機関と保証委託契約を結び、請負者を通じて保証機関との保証契約手続きを行います。
保証機関によっては、請負金額に上限を設けている場合もあるので要注意です。
保証機関に支払うべき保証料は一般的には発注者の負担となります。
金額の目安は5万~10万円程度です。
見積書に入っている場合もあるので、見積書の項目をチェックしましょう。
住宅完成保証制度は、大きく分けて「保険タイプ」「エスクロータイプ」の2種類があります。
保険タイプの住宅完成保証とは、
建築会社の倒産によって施主に生じた実質的な損害分を保証する制度です。
補填の範囲は保証会社によって異なりますので、よく確認をしておくようにしましょう。
「工事請負額の2割まで」などの上限が設定されていることが多く、
全額は保証されないケースもあることに要注意です。
エスクロータイプの住宅完成保証とは、
施主から支払われる建築費用を保証会社が預かり、
工事の進捗に応じて保証会社から建築会社等へお金が支払われる仕組みの制度です。
建築会社の倒産など、不測の事態に陥っても工事を継続しやすく、
代わりの建築会社も迅速に手配してもらいやすいことも特徴です。
先ほども書いたように、住宅完成保証制度は、すべての建築会社が加入しているわけではありません。
義務化されている制度ではないので、加入していない建築会社もあります。
建築会社と契約をする際には、事前に住宅完成保証制度に加入しているか要確認です。
外構工事や設備工事の一部が保証対象外となる場合があります。
詳細は各保証機関の規定によって異なりますのでご注意ください。
住宅完成保証制度は、家づくりにおける重要な安心材料です。
手続きを正しく行い、内容をよく理解することで、より安全に家づくりを進めることができます。
不明点があれば、遠慮なく建設会社や保証機関に確認するようにしましょう。
住宅完成保証制度のまとめ
住宅完成保証制度は、一戸建て住宅を建てる際の大きな安心材料となります。
一戸建て住宅を新築するには、契約から着工、引き渡しまで何ヶ月もの時間がかかるものです。
どのような建築会社であっても、倒産するリスクはゼロではありません。
また、住宅完成保証制度の利用を検討する際は、
保証内容や手続き方法、保証料などについて、建設会社や保証機関に詳しく確認しましょう。
多額の損害を負うリスクを可能な限り抑えるために、
住宅完成保証制度に加入している建築会社の利用を検討することをおすすめします。
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