不動産の用語でADという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
住まい探しの方には関係ない言葉です。
不動産投資をしている方ならご存じかもしれません。
AD(広告料)とは
不動産の「AD(広告料)」とは、賃貸契約が決まった際に大家から不動産業者に支払われるお金のことです。
advertisementを略したもので、「広告宣伝費」や「業務委託料」などと呼ばれる場合もあります。
ADを付けると不動産業者の収益に直結するため、ADの金額が大きいほど、不動産営業の動きが真剣になります。
実質的には、空室物件の早期の客付を促進するために、大家や賃貸管理会社が仲介業者に対して支払う、一種の「インセンティブ」のような位置づけと考えていいと思います。
この記事では不動産賃貸仲介会社にとって、大事な収入源であるADについて詳しく説明をします。
AD(広告料)の仕組み
不動産の賃貸の取引の場合、仲介手数料の上限は、家賃の1か月分とされています。
仲介手数料についてはこちらをご覧ください↓
不動産の知識 仲介手数料 – 初心者でもわかる不動産の研究.com (fudousan-kz.com)
仲介手数料の上限は、1ヶ月分と定められているため、本来であれば、それ以上もらうことはできません。
しかし宅建業法では、大家から広告料という名目で、1か月分以上の家賃をもらうことができます。
AD(広告料)は多いところでは2か月や3か月以上もらうこともあり、仲介手数料の他に、賃貸仲介会社がお金を貰える仕組みになっています。
不動産サイトに不動産業者が掲載料を払っている場合も多く、広告料がないと物件をサイトに掲載してもらえなくなってしまいかねません。
AD(広告料)の相場
AD(広告料)は、家賃1か月分のところもあれば、3か月分のところもあります。
AD(広告料)の相場は、エリアや時期、大家の意向によって大きく異なりますが、一般的には、賃料の1~2か月分が多いです。
AD(広告料)には法律的な上限の定めはなく、時期や地域によって変動しやすい特徴があります。
たとえば、賃貸物件の動きが激しい1月から3月ころは空室が埋まりやすいため、AD(広告料)を設定しないケースが多いです。
逆に、賃貸物件の動きが少ない時期は、AD(広告料)が多くの場合、家賃の1~2か月分を設定することが多いです。
また、都市部では、AD(広告料)が安く、郊外では高めの傾向があります。
AD(広告料)のまとめ
AD(広告料)は、賃貸仲介会社にとっては、仲介手数料よりも多くもらえる場合もあるため、物件を顧客に紹介する時の判断材料とし、ADが多い物件を優先して紹介することが多いのも事実です。
賃貸仲介業者にとっては、AD(広告料)を売り上げると、営業成績に直結するため、インセンティブが働きます。
しかし、物件の設備や立地条件などに問題があり、AD(広告料)をつけただけでは空室率が改善しないことも考えられます。
また、高額すぎるAD(広告料)を設定すると空室が埋まってもAD分の支出を回収するのに時間がかかる懸念もあります。
AD(広告料)は、慎重に検討した上で、入居者募集を行うことをおすすめします。
なお、不動産賃貸業者などにご興味のある方は不動産専門の転職支援を検討するといいかもしれません。
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